複式学級

複式学級

リセ・フランセ・ド・京都は、学校としての規模が小さく、コレージュや初等部で、教師たちが複式学級による巧みな授業を行っています。複式学級は生徒や学習にとって不利な制度なのでしょうか?いいえ、実は絶好のチャンスなのです。

複式学級とは?

複式学級とは、学年の異なる生徒を一学級にまとめ、一人の教師が授業を行うシステムです。マルチプログラム授業などという呼称もあります。

フランス、米国、スカンジナビア諸国には複式学級の長い伝統があります。複式学級は、実は世界中で長年実践されてきた授業形態なのです。

なぜ生徒にとってチャンスなのでしょうか?

全国評価、コレージュでの学業成績等に関し、複式学級出身者を対象に2010年に実施された調査によれば、二学年や同課程(Cycle)の生徒をひとまとめにした複式学級の生徒に関して、以下のような事実が明らかにされています。

– CM2で最良の成績評価を受けている

– 第6学年では、生徒の同化に関し、最高の成果を得ている。

– 自主的な学習や自己評価ができる。

複式学級では、生徒が自分で段取りを決めて自習や自己評価を行う、自主的な学習態度が要求されます。

複式学級は多彩でダイナミックな授業を可能にします。

a) 自習:常に教師に先導されているわけではなく、生徒のレベルも均一ではないため、自主的に学習に取り組むことが要求されます。放任されているわけではありませんが、自己の課題に独りで向き合う能力、自立心が養われます。

b) 相互学習:学習レベルが均一ではないため、同レベルの生徒同士で助け合うだけではなく、学級内で年少の生徒が年長の生徒を見習い、年長が年少を指導・監督する、相互援助の関係が築き上げられます。

c) 復習:「知っている」生徒が「知らない」に生徒に説明することによる復習効果が生まれます(説明による学習)。

生徒の多様性は「豊かさ」でもあります。生徒同士の密で良質な関係は、学習面にも好影響を及ぼします。複式学級では、あらゆるグループにつきものの暴力の問題も緩和されます。

a) 年齢、身長、力の異なる生徒が同学級になることで、通常、子供たちは寛容性を身につけます。

b) 毎年度の生徒の流動(新入生の約1/3は9月の新学期に到着し、1/3は上級過程や第6学年に進級する)が、継続・安定したリズムを作り出し、落ち着いた環境でのなかでの学習を可能にしています。

c) 支配者対被支配者という関係を時間が解決します。クラスで年少であった生徒たちが翌年には年長となり、リーダーシップを発揮するようになります。

特殊な組織である複式学級では協調性が大切です。組織は必然的に複雑化し、その機能を継続させるためには、生徒自身の積極的な協力が必要となります。教師は一つのグループから別のグループへと移動し、そのたびに新しいグループに適応しなければなりません。

複式学級では、教師が既に生徒の2/3を知っているため、学年度始めのスタートが早いと言われています。

a) 前年から学級に在籍していた生徒は、年度初めの段取りに既に馴染んでおり、新入生も一種の徒弟関係の実践によりこれを学習します。

b)新学年度が始まる時点で、教師は、学級の大部分の生徒のレベル、能力、性格を把握しています。そのため年頭評価等の準備期間が短縮でき、すぐに授業に取りかかることができます。